版木

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私の作品は多色使いの物が多く、一見木版画に見えないと言われるので、
必ず一つは作品作りに使用した版木を展示するようにしています。
バザールやギャラリーで何度となく”版木は売らないのか”と聞かれ、
その度に、”売るためにはもう少し手を加えないと。値段もいくらにしたらいいのか分からない”と答えていました。
何日も何日も作品を作るのに彫り続けた版木に愛着があって、
手放したくない、というのが一番の理由でした。

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そして先日、ギャラリーで店番をしている時にArctic Dawnの版木を買えないか、と言われ、
色々話しているうちに、良さを分かってくれる人がいるなら買ってもらおう、という気持ちになり、
初めて版木を買ってもらいました。
買ってくれたのはアラスカ、キーナイ半島のホーマーに住んでいるSさん。版画も一緒に購入して下さいました。
日本のようにほぼ全ての人が木版画がどういうものかを知っている、そして制作したことがある国と違って、
アメリカではまだまだ木版画というアート自体が知られていません。
Sさんは版画を制作したことがあり、私の作品作りにもとても興味を持ってくださり嬉しかったです。

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これは、明日から一色目を摺る新作の下絵です。
制作過程の進行状況をタイムリーでブログに載せていけたら、と、思っています。

Bubbles (ゴム版画)

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今月はFairbanksのPioneer Park (Alaska Land)という公園にあるBear Galleryで、
大きさが25cmx25cm 以内のアートを一人5点まで展示販売が出来るというので、
2年前にBubble Cradleを作る前にゴム版で作った小さな版画を改めて30枚程摺りました。

この版画は、4版で出来ていて、青のグラデーション、白、薄い黄色、黒、それぞれに色付けをして、
一版ずつ紙に摺って行きます。
単版多色刷りと違って、版が摩耗してダメになるまでは何枚でも刷れるので、
エディション番号はふらずに、題名とサインだけで低価格で販売していることもあって、
沢山の人に買って頂いています。
夏は釣りやハイキングなどに出かけてなかなか版画制作に集中出来ませんが、
あいにく、連日の晴れと熱さでアラスカ全土(特に内陸部)で山火事が起こっていて、
煙がフェアバンクスの町中にも及び、健康を害するため外での活動は控えなくてはならないほどの煙さです。
これからしばらく、集中して制作活動に励みたいと思っています。

冬到来*版画再開

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夏の事、秋の事をブログに載せようと思っているうちに、
あっという間にどっさりと雪が降って、一面銀世界の冬がやって来ました。
今年の夏は雨が多かったからか、ふわふわと舞う雪を見た時には、
例年よりも心躍る気持ちがしました。
外が雪で白くなると、家の中まで明るく感じます。

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一昨日は今シーズン初のクロスカントリースキーへ、
そして、昨日は天然スケートリンク=凍った湖の上でのスケートをして来ました。

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そして、なかなか集中出来ていなかった版画制作も再開しました。
夏の北極海近くのツンドラ地帯で見たお花畑をイメージした作品です。
今日一色目を刷り終わり、これからあと6色刷る予定です。
写真は一色目を刷る前の版木です。完成したらアップしたいと思います。

カラフトフクロウ(木版画)*制作過程

先日完成品を載せた、カラフトフクロウの木版画の制作過程の説明です。

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カラフトフクロウの目とくちばしの黄色を載せるのには、版木の裏を使いました。
目とくちばしの部分だけを残すようにして彫り、その部分だけに黄色のインクを載せて刷ります。

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単版を使って彫り進めて違う色を重ねて載せて行く技法を使うので、
最初に刷っていく紙の用意をします。
上にマスキングテープを付けて、穴を空けます。
L字型に組み合わせた木の枠(後ほど写真に出てきます)にピンを留めて、紙に空けた穴を毎回留めるようにするためです。
この作品は16枚で摺り始めました(16枚全てに黄色を刷ります)。

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2色目は灰色を載せるので、黄色に残したい目と部分と、紙の色(白)に残したい羽の模様や枝の雪の部分を彫ります。

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2色目の灰色を載せた状態です。次の色を載せる前につるして乾かします。
灰色を載せる前に彫った部分は黄色または紙の色のまま残ります。

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3色目は青です。青を摺る前に灰色に残したい部分を彫ります。
青を刷るときはフクロウと白樺の木の部分をプラスチックシートで隠して(ステンシルといいます)、
空の部分だけをインク付け刷る様にしました。
写真に写っているのが、今回使ったプレス機です。
普段はバレンで手刷りをしているのですが、大きな版での重ね刷りなのでプレス機を利用しました。

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左が青いインクづけをした版木で、右の灰色のインクが載った紙を載せて刷ります。

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3色目の青を刷った状態です。
インクが乾くまで、吊るして乾かします。

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4色目は白樺の幹に付いている地衣類の緑です。ステンシルで地衣類の部分にだけ緑をのせました。
紙は、楮紙という和紙を使用しているので、折れ曲がらない様に紙を扱うのも大変です。
紙に空いた穴を、枠のピンに固定しているところです。

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5色目は薄い茶色です。
薄い茶色を載せる前に、青に残したい空の部分と、緑に残したい地衣類の部分を彫りました。
版木が違う色を載せていくたびに彫り進められているのが分かるでしょうか。

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L型の木の枠にインクを載せた版木を上と左端がピッタリとつくように置きます。
私の手の間に3つのピンが青いテープでとめてあって、紙にあけた穴がぴったりとはまるようになっています。

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枠からはずしてプレス機に運ぶのが一番の難所です。
インクを載せた版木に紙を載せた後は、少しでも紙が動いてしまうと台無しになってしまうので息をとめての作業です。

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5色目の薄い茶色を載せた段階です。あと2色載せて行きます。

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残る2色は、茶色と,焦げ茶です。
薄い茶色に残したい部分を彫り、茶色にインク付けして刷り重ねて行きます。
茶色を刷る段階での版木の様子です。

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茶色を載せた状態です。
真ん中に干してあるのは、この段階で一色刷りしたものです。
なかなかいいな、と思ったのですが、朝9時から夜中の12時までずっと版画をしていて疲れきっていたので、
一枚だけしか刷りませんでした。
翌日は、早く最後の色を載せたいという衝動に負けて、彫り進めてしまったので、一色刷りは一枚しかありません。

最後の彫りは、焦げ茶(一番強い色)を載せたい部分だけを彫り残す様にして行きます。

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左があともう一色必要なもの。右が完成品です。

制作途中で、何でも、”ここでやめて置いた方がいいのでは”と思いましたが、
完成して見ると、一番最後まで色を載せてよかったな、と思います。
途中、色を載せる時にずれてしまったりして完成作品として残ったのは16枚中12枚でした。
こんな大きな作品を仕上げられるかどうか、不安が大きかったですが、
頑張って完成することが出来て本当によかったな、と思います。

Great Gray Owl (カラフトフクロウ)*木版画

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カラフトフクロウ(Great Gray Owl)の実物大の版画が作りたい、と思い、
56cmx84cmの大きな版木を買ってから、版木とのにらめっこを1ヶ月、
デザインを大きな画用紙に考え始めてさらに1ヶ月、
4月に入ってからようやく彫り始めて、
1日15時間くらい版画に費やす日々が続き、今日、ついに完成しました。

前にカラフトフクロウに出会った時の、カラフトフクロウのふんわりした感じや、
目が小さくて、きょとんとした眼差しを思い出しながら、
1.5mmの三角刀で細かな線を書く様に彫り進めて行きました。

制作過程の様子を、近いうちにアップしたいと思います。
Profile

dogwood studio

Author:dogwood studio
2001年9月からアラスカ、フェアバンクスに住み始めました。アラスカ大学で野生生物学を学び、フィールドワークやネイチャーガイドをしていましたが、今はもっぱら版画制作と写真撮影と自然の恵みを得ることに没頭しています。絵本を作るのが夢です。

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