カラフトフクロウ(木版画)*制作過程

先日完成品を載せた、カラフトフクロウの木版画の制作過程の説明です。

051214GOwl-1-yellow-block.jpg
カラフトフクロウの目とくちばしの黄色を載せるのには、版木の裏を使いました。
目とくちばしの部分だけを残すようにして彫り、その部分だけに黄色のインクを載せて刷ります。

051214GOwl-1-Yellow.jpg
単版を使って彫り進めて違う色を重ねて載せて行く技法を使うので、
最初に刷っていく紙の用意をします。
上にマスキングテープを付けて、穴を空けます。
L字型に組み合わせた木の枠(後ほど写真に出てきます)にピンを留めて、紙に空けた穴を毎回留めるようにするためです。
この作品は16枚で摺り始めました(16枚全てに黄色を刷ります)。

051214GOwl-block-Gray.jpg
2色目は灰色を載せるので、黄色に残したい目と部分と、紙の色(白)に残したい羽の模様や枝の雪の部分を彫ります。

051214GOwl-2-Gray.jpg
2色目の灰色を載せた状態です。次の色を載せる前につるして乾かします。
灰色を載せる前に彫った部分は黄色または紙の色のまま残ります。

051214GOwl-3-printingStencil-blue.jpg
3色目は青です。青を摺る前に灰色に残したい部分を彫ります。
青を刷るときはフクロウと白樺の木の部分をプラスチックシートで隠して(ステンシルといいます)、
空の部分だけをインク付け刷る様にしました。
写真に写っているのが、今回使ったプレス機です。
普段はバレンで手刷りをしているのですが、大きな版での重ね刷りなのでプレス機を利用しました。

051214GOwl-3-block-Blue.jpg
左が青いインクづけをした版木で、右の灰色のインクが載った紙を載せて刷ります。

051214GOwl-3-hanging-Blue.jpg
3色目の青を刷った状態です。
インクが乾くまで、吊るして乾かします。

051214YumiPrinting.jpg
4色目は白樺の幹に付いている地衣類の緑です。ステンシルで地衣類の部分にだけ緑をのせました。
紙は、楮紙という和紙を使用しているので、折れ曲がらない様に紙を扱うのも大変です。
紙に空いた穴を、枠のピンに固定しているところです。

051214GOwl-5-lightbrown-inking.jpg
5色目は薄い茶色です。
薄い茶色を載せる前に、青に残したい空の部分と、緑に残したい地衣類の部分を彫りました。
版木が違う色を載せていくたびに彫り進められているのが分かるでしょうか。

051214GOwl-5-lightbrown-Jig.jpg
L型の木の枠にインクを載せた版木を上と左端がピッタリとつくように置きます。
私の手の間に3つのピンが青いテープでとめてあって、紙にあけた穴がぴったりとはまるようになっています。

051214YumiMovingtoPress.jpg
枠からはずしてプレス機に運ぶのが一番の難所です。
インクを載せた版木に紙を載せた後は、少しでも紙が動いてしまうと台無しになってしまうので息をとめての作業です。

051214GOwl-5-LightBrown.jpg
5色目の薄い茶色を載せた段階です。あと2色載せて行きます。

051214GOwl-block-brown.jpg
残る2色は、茶色と,焦げ茶です。
薄い茶色に残したい部分を彫り、茶色にインク付けして刷り重ねて行きます。
茶色を刷る段階での版木の様子です。

051412GOwl-hanging-brown.jpg
茶色を載せた状態です。
真ん中に干してあるのは、この段階で一色刷りしたものです。
なかなかいいな、と思ったのですが、朝9時から夜中の12時までずっと版画をしていて疲れきっていたので、
一枚だけしか刷りませんでした。
翌日は、早く最後の色を載せたいという衝動に負けて、彫り進めてしまったので、一色刷りは一枚しかありません。

最後の彫りは、焦げ茶(一番強い色)を載せたい部分だけを彫り残す様にして行きます。

051214GOWL-7-DarkBrown.jpg
左があともう一色必要なもの。右が完成品です。

制作途中で、何でも、”ここでやめて置いた方がいいのでは”と思いましたが、
完成して見ると、一番最後まで色を載せてよかったな、と思います。
途中、色を載せる時にずれてしまったりして完成作品として残ったのは16枚中12枚でした。
こんな大きな作品を仕上げられるかどうか、不安が大きかったですが、
頑張って完成することが出来て本当によかったな、と思います。

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Secre

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すごく複雑な工程ですね。一色刷りのものと、木版自体も味があってとても素敵ですね。次の作品も楽しみにしています。

Owl

すごく複雑な工程ですね。一色刷りのものと、木版自体も味があってとても素敵ですね。次の作品も楽しみにしています。

Re: Owl

Saekoちゃん どうもありがとう。
これからいい季節でスタジオの中で過ごすのがもったいなく感じるけど、
今年の夏(こそ)は、自由な版画制作を楽しもうと思ってます。
さえこちゃんも機会があったら是非、版画もやってみてね。
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dogwood studio

Author:dogwood studio
2001年9月からアラスカ、フェアバンクスに住み始めました。アラスカ大学で野生生物学を学び、フィールドワークやネイチャーガイドをしていましたが、今はもっぱら版画制作と写真撮影と自然の恵みを得ることに没頭しています。絵本を作るのが夢です。

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